『九段坂の恋』

『九段坂の恋』：Apple Books Storeにて電子出版：2021年9月

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2021年9月　version 1.0 公開

明治の時代に、九段坂から始まった恋物語。夏目漱石と大塚楠緒子の秘められた恋愛事件を題材にした八幕構成の戯曲。秘匿されてきた二人の関係を、歴史に刻まれている事跡の断片を経年的に積み重ねる事により、ジグソーパズルを完成させる如くに事件の全体像を明らかにして、漱石自身が回想的に記した「自分の生活中尤も色彩の多い当時の冒険」を描く。

夏目漱石の足跡に興味を持ち始めたのは、二〇〇四年頃からである。たまたま千駄木の漱石旧居近くに縁が生じたのが契機となった。その四年後に『謎解き若き漱石の秘恋』を脱稿する。今から思えば思がけぬ事だが、同時期に戯曲仕立ての本稿の草稿を書き上げたようだ。その後、草稿の存在を失念していたが、このほど雑物整理を始めると、書棚の奥底から古いプリントを見出した。読み通して見ると、その出来具合は別として、内容は比較的わかりやすい。漱石と楠緒子の恋愛は紆余曲折とその秘密性により、筋立てが理解しにくいけれど、大筋の事実は追っているのではないかという記述である。様々な理解の一助になる事を期待して、字句訂正を加えて公表する。

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著者：加藤湖山

e-mail: kozan27ho@gmail.com

『九段坂の恋』

『九段坂の恋』：Apple Books Storeにて電子出版：2021年9月